小学2年生活科「自分はっけん」生い立ち振り返りにモヤモヤせずにいられない。
先週小2の娘が学校から「茶封筒」と「親宛ての連絡用紙」を持ち帰ってきました。
中身を確認してみると、これまでの成長を振り返る授業に関する親の協力依頼でした。いずれ訪れるだろうと覚悟していた授業が、小2の3学期にとうとうやってきました。
「成長の振返り」をすることが「自分を発見する」ことなの?
娘には入学前から「自分の生まれた時のこととか家族のことを授業でやるかもしれないよ。」という話はしていました。
なので、娘はいずれ来るであろうこの授業について少しだけ心構えをしていたかもしれません。
いざ学校から課題を持ち帰ってくると「あ~あ、嫌だな~。」と軽い口調でしたがポツリとぼやいていました。
娘には「そうだよねー。お父さんお母さんの家族のことを書くわけではないけど、何となく嫌だよねー。」と話をしました。
正直私も学校からの手紙を見たとき「うわっ!!何か嫌だな~。」という気持ちになりました。
なので、娘は私以上に嫌な気持ちでいると思います。
ちなみに学校からのお手紙にはこのようなことが書いてありました。
【学校からの連絡事項】
①生まれてから小学校入学後まで(0歳~現在まで)の写真3~4枚、おもちゃや衣類があれば持ってくること。また、写真に関するエピソードを子供が親に取材をして子供が配布用紙に書いてくること。
②親から子供宛てに手紙を書くこと。
③名前の由来、身長・体重、生まれた当時のエピソードを親が書くこと。
姉にこの授業をやると話たら「大丈夫だよ。別に家族構成とかそういうことを発表する訳じゃないんだから気にしなくても大丈夫だよ。」と言っていました。
確かにそれは私もしっかり理解しているけど、私が言っているのはそういうことではないのです。
自分の生い立ちを振り返る=これまで家庭内であった出来事を振り返るキッカケを子供に与えてしまうのではないかという親としての申し訳ない気持ちと心配。
なんと言葉にすればいいか難しいですが、その立場になってみないと理解できない気持ちがあるということです。
この授業に対して何も恐れることはないですが、何となく我が家は「片親」だからという思いが私にはありまして・・・。
娘に変な気持ちにさせてしまい、心がザワザワしてしまいました。
数十年前と現代では家庭環境が変わってきている。
私も小学生の頃、小さい頃の写真を学校に持って行き、同じような授業を受けた記憶があります。
昔から続く授業内容ということは、それだけ大切なことをその年齢に教えるために行っていると思いますが、片親になってみると「この授業(生い立ち振り返り)は今の時代に合っているのか?」と、疑問がわきあがってきました。
例えば、親が何かしらの理由で育児放棄状態(ネグレクト)になっていて子供に無関心だったり、親がいなくて施設で育っていたり、親から虐待にあっていたり・・・
色々な家庭が存在すると思うのです。
昔からそういった家庭は存在していたと思いますが、核家庭が多くなっている現代は昔以上に増えていると思います。
幸い私は、周りのサポートもあり子供にしっかり愛情を注げる環境と気持ちがありますが、そういった親ばかりではないと思うのです。
両親が揃っていても、子供に無関心な親は世の中に存在します。そして悲しい事件もたくさん起こっています。
昔の家庭のような、おじいちゃんおばあちゃんと同居の三世代家族は稀で、核家族が当たり前の時代。そして考え方も時代の変化によって昔以上に多様になっています。
そんな中で、もし子供にとって家庭内が苦痛の場所だったとしたら、この「自分はっけん」という小2生活科の授業は苦痛で仕方がないのではないか?親に依頼しなくちゃいけない書きものがあったり、写真を揃えたり、親の協力なしでは成り立たない授業だと思いました。
家庭内が健全良好であれば、当たり前に課題提出ができますし、親も何のためらいもなく子供に協力することでしょう。
そして、この「生い立ちを知る」授業に何の疑問を抱くこともなく、スルーされてしまうことでしょう。
少数の家庭事情で授業内容を変えることができないのは分かるが聞いて欲しい。
この授業を否定している訳ではなく、これから大人になって生きていく過程で大切なテーマだと私も思いますが、色々な家庭や背景があるということを理解した上で、「自分はっけん」という授業に取り組んでもらいたいなと思いました。
「成長した自分を発見する」以前にこの授業課題を親に依頼することで、自分の家庭事情をまざまざと感じ嫌な思いをする子は少なからず居ると私は思います。
大事な授業テーマには違いないですが、私が伝えたいことは、この授業をすることによって、自分の家庭と他人の家庭を比較して傷つく子供がいなければいいなと思います。
昔以上に複雑な家庭環境が増えていることは紛れもない事実です。
娘の「あーあ、嫌だな~(タメ息)」の言葉以上に、嫌な思いをしている小2の子供たちが世の中にいるということを教育関係者に知って欲しいです。
2020年4月から新しい学習指導要領に変わりますが、生活科のこの授業テーマが世の中の多様な家庭環境に反映した形に教科書内容が変わっているといいですが・・・。
「自分を発見」「知る」ことはすべて自分の経験でしか学べない。
うれしかったこと・ツライ挫折など様々な経験をすることによって、そのときやっと自分自身と向かい合い、本当の自分や周りの人間を知ることができます。
子供たちには、生い立ちを振り返ることで「自分を知る」のではなく、自分の得意なこと・大好きなことを突き詰め続ける気持ち、目標(自分の夢)の叶え方、良い友達と出会うことで人生が好転すること、挫折を乗り越える方法、そういったことを自分の経験から発見・知ることができると学校で指導してもらいたいところです。